解錠/施錠

走り書き

膜、四つん這い、脂肪

気が向いたので、辞書を出鱈目に開いて出てきた三語をもとにショートショートを書くことにしてみた。──早朝に目覚めた。黒い帳へ陽光が差し込むのを窓から眺めていた。季節の変わり目だからか、まだ朝は少し寒い。ふと思い立ち牛乳を温めると器の縁に白い膜…

女は役者

いくら忘れようとしても眼裏に焼き付いている情景に心を縛られ続ける。悲劇は人生の基軸になるらしい。近頃は全ての出来事を抽象化し、世界をぬるま湯として捉えることで生命線を保っている。一つ一つの事柄を明瞭に見てしまうと、とても生きていられやしな…

ワッフル

お高くとまっているものが気に食わない。自分のステータスの為に何かを選択する人達が嫌いだ。あと、強がるために何かを低く見せようとするのもカッコ悪くて嫌い。そうやって嫌いなものを数えていくとキリがない。毎日外に出ると必ずそういうものに遭遇して…

意識の明滅を意識する。入れ子構造の意識と共に日付を跨ごうとしている。 出窓から気怠く侵入する雨音が微かに耳を掠めては消えゆく。この有限の夜を記憶に刻もうと、幾層もの殻に籠った最奥の意識であるところの、何かしらの欲求が眠たげに働き出す。無意識…